PPA樹脂メッキとは？

PPA樹脂は、高い耐久性や強度を兼ね備えているプラスチックであり、過酷な環境下でも性能を維持しやすい素材です。PPA樹脂に金属的な機能を加えるために行われているのがメッキ加工です。メッキ加工を施すことで、より幅広い用途で利用できるようになります。

そもそもPPA樹脂（ポリフタルアミド）とは

ポリフタルアミド（Polyphthalamide、以下PPA）は、エンジニアリングプラスチックの一種です。ナイロン系の樹脂に分類されますが、「ナイロン6」や「ナイロン66」などの一般的なナイロンよりも高い性能を持っています。

特に耐熱性が高く、高温環境での使用例も多い素材です。また、吸水性が低いことから、寸法精度が求められる精密部品にも採用されています。

PPA樹脂は、ガラス繊維などで強化することで機械的特性がさらに向上します。たとえば、自動車分野では軽量化が重要視されているため、重い金属の代替素材としてPPA樹脂が用いられることも少なくありません。

薬品に触れる環境下でも安定した性能を発揮できる、高い耐薬品性が特徴です。

PPA樹脂へメッキ加工する目的やメリット

導電性を付与できる

PPA樹脂自体は、電気を通しません。そのため、センサー部品や回路基板などの用途で使用するのは難しいケースがありますが、メッキ加工を施すことで導電性を付与できます。

コネクタをはじめ、電子回路関連の部品や器具にも利用できる点がメリットです。

耐摩耗性が向上する

もともとPPA樹脂は強度に優れている素材ではありますが、摩擦を伴う長時間の使用環境では限界があります。

金属層をメッキによって形成することで耐摩耗性が向上し、耐久性を高めて寿命を延ばすことができます。

デザイン性が上がる

メッキ加工により金属光沢を付与することで、高級感や精密さを際立たせることができます。

見た目を重視する家電製品や装飾部品でも活躍する加工です。

軽量化につながる

金属素材と比べると、メッキ処理をしたPPA樹脂の方が軽量です。そのため、強度と軽さを両立したい部品を製造する際に活用されています。

現在、金属を使っている製品で軽量化を目指す場合は、PPA樹脂へのメッキ加工が有力な選択肢となります。

PPA樹脂メッキの主な用途

自動車分野

PPA樹脂は高い耐熱性と機械的強度を持つため、高温・高湿といった厳しい条件下に置かれる自動車分野でも利用されています。

• ボンネット内に組み込まれる各種車載部品：高温・高湿と過酷な状態になるボンネット内の部品に活用されています。
• バルブ・センサー：メッキにより耐久性の強化と、PPAが持つ耐薬品性との効果で長寿命化を図れます。
• 内装部品：メッキ加工によって金属調の外観を与えることでデザイン性を高め、高級感が出ます。

電子機器分野

PPA樹脂は寸法安定性や電気特性にも優れているため、これらの特性を活かして電子機器分野でも幅広く利用されています。

• コネクタ：メッキ加工によって導電性が付与されるため、安定したデータ通信ができます。
• 小型センサー部品：軽量ではあるものの、熱や薬品に耐える耐久性を持たせます。

PPA樹脂へのメッキ加工事例

※2025年9月時点で、該当する情報が見当たりませんでした。