POM樹脂メッキとは?

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POM樹脂へのメッキ加工は、自動車部品や各種機械部品など、主に金属部品の代替品として活用されています。耐熱性・耐衝撃性・耐摩耗性・耐薬品性・寸法安定性(外部環境の影響を受けにくい性質)など多様な機能性を有しており、さまざまな分野で利用されています。

そもそもPOM樹脂(ポリオキシメチレン[ポリアセタール])とは

POM樹脂はポリオキシメチレンの略称で、別名「ポリアセタール」としても知られています。強度と耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックの1つであり、さまざまな用途で活躍する素材です。

吸水性が小さいのも特徴で、たとえば、物質が熱によって膨張したり、湿度による変化の大きい環境であったりしても大きな変化はありません。このことから寸法安定性に優れており、異なる環境下でも寸法変化が小さいため、精密機械部品にも適しています。

メッキ加工については、表面が化学的に安定しているため密着しにくく、加工難易度が高い素材といえます。そのため、メッキ加工がしやすい素材と比較すると加工事例は少ない傾向があります。

POM樹脂へのメッキ加工を依頼する際には、これらの点を踏まえ、過去に実際にPOM樹脂へのメッキ加工を行った実績があるメーカーの選択が重要です。

POM樹脂(ポリオキシメチレン[ポリアセタール])へメッキ加工する目的やメリット

耐摩耗性・表面硬度の向上が可能

もともと、POM樹脂は耐摩耗性に優れた素材です。さまざまな機械部品に使用されていますが、メッキを施すことで金属的な特性が加わり、耐摩耗性や表面硬度が向上します

濡れ性を向上させる効果を付与できる

メッキ加工を施すことで、基材表面の濡れ性を高められます。濡れ性とは、液体やはんだなどが固体表面にどの程度広がりやすく、なじみやすいかを示す性質のことです。濡れ性が良好であれば、はんだや接着剤が均一に広がりやすく、接合強度と安定性の向上が見込めます。濡れ性改善が目的の場合、メッキ処理は有効な選択肢となるでしょう。

導電性を持たせられる

POM樹脂は絶縁性が高い特徴を持ちます。しかし、メッキを施すことで導電性を付与できる点がメリットです。

POM樹脂メッキの主な用途

POM樹脂メッキの主な用途としては、機械部品分野での利用が見られます。

機械部品

機能性や寸法安定性が高い特性を持つこともあり、以下のような精密部品に広く利用されています。

POM樹脂へのメッキ加工事例

該当する加工事例の情報は見つかりませんでした。非常に難しい技術を要するため、メーカーに依頼する場合は、過去の実績や仕上がりについて確認しておくことが重要です。

POM樹脂メッキまとめ

POM樹脂へのメッキ加工は、強度や耐熱性といったPOM樹脂が持つ特性に加え、金属的な導電性を付与できる選択肢です。これにより、新たな用途でPOM樹脂を活用する選択肢が広がります。しかし、密着性を確保するのが難しいことから加工難易度は非常に高く、対応しているメーカーは限られています。

ABSやPBTでは強度・耐熱性・耐久性が不足する場合、POM樹脂へのメッキ加工が選択肢の一つとなりますが、難しい加工であることはおさえておきましょう。

このサイトでは、「高品質な内外装部品の量産」「電子機器への電磁波シールド」「アクセサリーのニッケルフリー」という3つの目的別に、おすすめのプラスチックメッキ加工メーカーをご紹介しています。自社のニーズに合ったメーカーを見つけるために、ぜひご活用ください。

【目的別】
プラスチックメッキ加工会社3選

製品の性能や耐久性を高めるためには、自社のニーズに合ったプラスチックメッキ加工会社を選ぶことが重要です。

目的に応じたおすすめの加工会社を厳選してご紹介します。

高耐食性・高品質な
内外装部品の量産

なら
白金鍍金工業
(しろがねめっきこうぎょう)
白金鍍金工業公式HP
引用元情報:白金鍍金工業公式HP
(https://www.siragane.co.jp/)
耐食性の高い加工で
耐久性のある部品を大量生産

75年以上※にわたりめっき加工を手掛け、自動車メーカー向けにドアハンドルや内外装部品にめっき。耐食性を付与する3層のニッケルめっきを採用し、耐久性・品質の高い加工を実現。様々な加飾バリエーションへの対応とエレベータ方式設備、画像検査システムや膜厚シュミレータを併用し、生産性と品質保証の両面を向上しています。

例えばこんな用途に
  • 自動車の内外装部品
  • シャワーヘッドなどの水栓部品
  • 遊戯部品や家電製品の装飾など
電磁波の影響を抑えた
精密機器の加工

なら
塚田理研
(つかだりけん)
塚田理研公式HP
引用元情報:塚田理研公式HP
(https://www.tukada-riken.co.jp/)
電磁波シールド性と放熱性を
両立しためっきに対応

電子基板メーカー向けのプリント配線板加工で培った技術をもとに、無電解銅と無電解ニッケルを使用した電磁波シールドめっきを提供。精密機器のハウジングやコネクタに金属並みの導電性を持たせ、電磁波ノイズを遮断。
軽量化とノイズ対策に役立つメッキ加工を提供します。

例えばこんな用途に
  • ノートPCの外装
  • スマートフォンのフレーム
  • CTスキャン装置のシールドなど
肌に優しい仕上げの
アクセサリー

なら
林精器製造
(はやしせいきせいぞう)
林精器製造公式HP
引用元情報:林精器製造公式HP
(https://www.hayashiseiki.co.jp/)
装飾めっきを
ニッケルフリーで加工可能

創業から腕時計の外装部品製造に携わり、精密な仕上がりと高級感を追求。ニッケルフリー仕様で加工をするため、肌に優しく、多彩な色調や光沢・サテンの質感を表現が可能。
時計の外装のほか、リングやペンダントなど、デザイン性と安全性を兼ね備えた製品を実現します。

例えばこんな用途に
  • 時計のフレーム
  • リング
  • ピアス・イヤリングなど

※参照元:2025年2月3日調査時点 白金鍍金工業公式HP(https://www.siragane.co.jp/)

【目的別】
プラスチックメッキ
加工メーカー3選